ステロイド剤は危なくない!正しく使えば万能な薬

ステロイド剤はいろんな病気に効果を発揮する薬です。しかし、ステロイド剤を使うためには注意したい点もあります。ここでは、ステロイド剤の基本知識と副作用についてご紹介します。正しい使い方を守って薬の効果を実感しましょう。

ステロイド剤の効果って?

ステロイド剤は、副腎皮質ホルモンを化学的に合成した薬です。このステロイド剤にはどのような効果があるのか見てみましょう。

ステロイドはこんな症状に効果的!

ステロイドは、皮膚が炎症を起こすタンパク質の発生を抑制するとともに、炎症を抑える性質のあるタンパク質を作る作用があることから、主にかぶれや皮膚炎、アトピーなどの治療に効果があるとされます。皮膚病の他にも、ステロイドが持つ抗炎症作用は、喘息、関節リウマチ、肺炎など、多くの病気の治療薬として使用されています。

感染症には逆効果?

ステロイドの抗炎症作用には、体の免疫力の働きを抑える作用もあります。そのため、体の抵抗力が低下して、菌やウイルスなどが体内に侵入してきたとき免疫力による排除ができず、風邪やインフルエンザなど感染症にかかりやすくなる副作用があります。

犬にも効果あり?

ステロイドは犬の治療薬としても使用される薬です。動物病院では、皮膚炎、胃腸炎、心臓、腫瘍の治療などにステロイドは使われています。

そもそもステロイド剤ってなに?

治療薬として使用されるステロイド剤とは、いったいどのような成分の薬なのでしょうか。ここからは、ステロイド剤についてさらに詳しく解説します。

ステロイド剤の作用機序

ストロイドとは、腎臓の上に位置する副腎から分泌される副腎皮質ホルモンのことです。副腎皮質は網状層、束状層、球状層の三層に分かれており、ここで副腎皮質ホルモンの鉱質コルチコイド、糖質コルチコイド、アンドロゲンが合成されています。これらは、脳下垂体から分泌されるACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の刺激で副腎皮質ホルモンの分泌は促進されますが、ACTH の量もまたCRHというホルモンにより調整がされています。ステロイド剤は、糖質コルチコイドや鉱質コルチコイドの働きである、抗炎症作用、糖代謝、タンパク質分解作用を利用した薬です。

ステロイド剤の強さは5段階で分けられる

ステロイド剤は薬の強さで5段階にランク付けされています。I群(最強)、II群(非常に強力)、III群(強力)、IV群(中程度)、V群(弱い)と分かれており、それぞれ使用する部位によって使い分けられます。

よく聞く「副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)」ってなに?

ステロイドとは体内に存在するホルモンの一つであり、その中でも副腎皮質から分泌されるステロイドが副腎皮質ホルモンです。ステロイド剤は、ステロイドホルモンの持つ作用を治療薬として活用するために、化学的に合成してできた内服薬と外用薬を言います。

副作用はある?

ステロイド剤が持つ炎症を抑え込む作用は、場合によっては反動が起こり副作用が現れることもあります。ステロイド剤の主な副作用には、免疫力の働きを抑えるために感染症に対して体の抵抗力が落ちることや、皮膚の細胞分裂に影響して皮膚が薄くなり毛細血管が浮き上がる、菲薄(ひはく)化と毛細血管拡張などがあります。

ステロイド剤のよくある勘違い

ステロイド剤が治療薬として開発されて半世紀以上がたち、多くの医療現場で使用されていますが、副作用が怖いというイメージから多くの誤解があるようです。

ステロイドは誤解されがち!

ステロイド剤は、使用をすることで皮膚が黒くなると誤解されることがあります。これは薬の成分で日焼けを起こしてしまう場合や、適切な治療を受けなかったり途中でステロイド治療をやめたりしたことで、皮膚の炎症が悪化して黒くなることが考えられます。さらに、ステロイドが体内に蓄積する、クセになる、リバウンドなどの誤解を受けることもあります。しかし、ステロイド剤が体内に蓄積することはなく、使用量や使用期間を正しく守って使えば、このような副作用が起こることはまず考えられません。

長期間にわたり、ステロイド剤を大量に服用したり注射を続けたりすると、顔のむくみや骨がもろくなる場合もありますが、通常は医師による投薬管理でそのような副作用がないように調整されています。

ステロイド剤を使用する際の注意点

ここまで説明してきたように、ステロイド剤の影響で全身に副作用が現れることは、誤った使用方法によるものです。病院で処方されたものや薬局で購入したステロイド剤を使用する時にはいくつか注意点があります。

使用する量の目安

ステロイド剤の使用は適量を守って使うことが基本です。塗り薬の使用量の目安は、フィンガーチップユニットといわれる、大人の手のひら2枚分の皮膚に対して約0.5g(人差し指の第一関節の長さ分)が基準とされます。

使用する期間の目安

ステロイド剤の効果は、通常で数日~1週間ほどで現れると言われます。ステロイド剤は長期連用しないことが注意書きにも示されていますが、長期連用は2週間ほどのことを指しています。もしも適量を守った使用法で1週間を過ぎても症状の改善が見られない場合は、皮膚科を受診して適切な治療を受けましょう。

適切な強さか

ステロイド剤は、患部に塗る量が多すぎても少なすぎても薬の効きが悪くなります。さらに、症状や肌に合わない強すぎるステロイド剤を使用した場合には、副作用が現れることもあります。薬は必ず医師や薬剤師に相談して選び、適量を守って使用しましょう。

ステロイド剤は諸刃の剣!うまく使いましょう

ステロイド剤は、抗炎症作用、糖代謝、タンパク質分解作用などの働きで、皮膚炎をはじめとする、さまざまな病気の治療薬として使用される薬です。しかし、ステロイド剤には副作用の心配から、使うことが怖いというイメージを持つ人もいると思います。確かにステロイド剤に副作用はありますが、主に誤った使い方で生じます。ステロイド剤の効果を実感するためには、医師や薬剤師の指示のもと使用量と使用期間を正しく守って使いましょう。


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